2012年8月〜2015年6月の約3年間「瀬戸内・松山食べ巡りプロジェクト」で、取材撮影をした編集部によるレポートです。
事業期間終了と共に運営変更に伴い、「瀬戸内・松山 しまめぐり」の事業では更新することはありませんので、ご了承いただきますようお願いします。
|文化・歴史
第11回松山城薪能
松山城を背景に次第に暮れていく風景のなかで、わずかの灯りと薪の炎に浮かび上がる松山城薪能。鼓と笛の音が公園内にしみいる様は、松山城を背景に神秘的な雰囲気を醸し出します。
開演前の緊張するひととき、観客が増え心待ちにしている様子が伺えます。
喜多流舞囃子「船弁慶」から
大蔵流狂言「蝸牛」(かたつむり)
「長寿の薬と言われる蝸牛を取りにいくも、太郎冠者は蝸牛を知らない。寝ている山伏を蝸牛と思い込み山伏もからかうつもりで蝸牛になる。」というストーリーです。
喜多流能「清経」
清経の妻のもとへ家臣粟津三郎が訪ねてきて、清経が入水したといいます。形見に遺髪を手渡せられますが、再会の約束を果たさなかった夫を恨み悲嘆にくれます。しかし夫への想いはつのり、せめて夢で会えたらと願う妻の夢枕に清経の霊が鎧姿で現れます。
能は日本古来のオペラと言えるかもしれません。その形式は究極に動きを排除することで、内面性を求めるという哲学的な美しさと人間の持っている哀しみ・情念・怒りなどを表現する世界で唯一とも言える芸術といえるでしょう。
400年以上続く伝統芸能である「松山城薪能」は、2002年に松山城築城400年祭に合わせて本丸広場で初開催されました。2010年からは会場を城山公園に移し、松山城を背景に幽玄のムードに包まれるなか能や狂言などが繰り広げられます。