2012年8月〜2015年6月の約3年間「瀬戸内・松山食べ巡りプロジェクト」で、取材撮影をした編集部によるレポートです。
事業期間終了と共に運営変更に伴い、「瀬戸内・松山 しまめぐり」の事業では更新することはありませんので、ご了承いただきますようお願いします。
プロが教える!魚のさばき方とより美味しく食べれるように。
鯛のさばき方を基本に一匹丸ごと調理する料理教室が、毎月1回松山市の水産市場卸売場2階調理室で開講されています。
全国生産高日本一の鯛のさばき方や鯛を使った料理メニューを、プロの山本講師が丁寧に指導してくれます。
5月18日(土)は当日2人欠席の為18名、男性4名女性14名の参加となりました。通常各5名の4班に分かれてグループ作業を行います。ここ数年、男性の参加が増えており、今回は夫婦での申し込みが2組ありました。料理男子が増えたこと、魚釣りをする方が自分でさばきたい、また夫婦で一緒に料理をしたいなど理由は様々のようです。
また女性の方は、自己流なので学びに来た、身内の方が魚釣りが趣味で魚を頂くことが増えたなど魚料理の経験のある方から、魚料理初体験やいつもは切り身を買ってくるので・・・と言われている方もいらっしゃいました。魚離れや女性の料理離れと時代の変化を感じる中、このような料理教室に通われて学ぼうと思われている人が多いのも現実のようです。
手順としては、鯛を三枚に下ろしていきます。料理メニューとしては、頭で「潮汁(うしおじる)」・片身で「刺身」・片身で「ムニエル」の3品です。
テーブルに配られている1人一匹の大きな天然鯛は、すでに下処理は終わっています。まずは下処理から3枚に下ろすまで工程を、ポイントを交えながら詳しく説明をしていきます。
皆さんのお顔はとても真剣で、またポイントの説明に「なるほど!」と驚きの声があがっていました。
ちょっとここでポイントを。うろこを取る時に、パットの中に水を張りその中でうろこを取ると飛び散らないそうです。夏は氷を2~3個入れるのがいいそうです。
説明の後、各自鯛を3枚に下ろし始めました。実際にするのと見るのとではなかなか違うようで、それでもみなさん上手に3枚に下ろしていきます。
山本先生は各自の動きなどの様子に目配りし、手助けをしながらバランス良く進めるように配慮されています。
お友だちと一緒や1人で参加されていたりと様々ですが、次第にグループで会話も出始めてお互いにフォローし合ったりする様子も見られ始めていました。
片身を刺身にした後に「売っている刺身が高い理由がわかる!」と言われている方も。刺身にすると思っていたよりもちょっとしか取れなくそのように思ったのでしょうね。
鯛の骨や刺身の時に取った小骨のついている身などは、全て持ち帰りで鯛めしとなります。それを調理しながら分類していく。そのことで作業台もいっぱいにならず、片付けも簡単です。
潮汁の頭の部分を軽く湯通し、コブダシの鍋に入れていきます。
それが終わると、ムニエルの準備です。最初に作るのは、ホワイトソースです。ホワイトソースを作る上で難しいのが、“ダマ”になってしまうことです。でも大丈夫!こちらで教えてくれる方法で作ると“ダマ”にならずに作れます。
各テーブルに配られている野菜をカットし、炒めて行きます。テーブルごとで切る人や片づけをする人など担当が出来始め、段取りよく進んでいきます。少し早めに進んでいるテーブルに、炒め具合などを見に来たりする動きなども見られました。
通常魚を焼く時は皮目から焼きますが、今回使う鯛は天然鯛ということでより新鮮であるため反り返ってしまいます。それを防止するために、身側から焼いていきます。
さぁ、最終段階盛り付けです!刺身は「鯛丼」に、そして「潮汁」と「ムニエル」の3品が出来ました!
10時からのスタートで、出来上がりは11時40分。出来あがった3品を見て、とてもうれしそうな皆さん。「思ったより簡単だった」「自分が全て作るとより美味しい!」「また家でしてみる」など、様々な感想が聞かれました。
鯛めしの作り方の説明があり、家で鯛めしやアラでお汁にしたりされたのでしょうね。皆さま、お疲れさまでした。またありがとうございました。
この魚のさばき方料理教室は2005年から始まり、松山市公設水産地方卸売市場運営協議会が主催されています。
2005年に市民アンケート調査した結果、50歳未満の方で魚をさばける人が少なく、反対に50歳以上の多くの方がさばけるという結果でした。ちょうど子育ての年齢ということもあり、少しでも多くの方に魚のさばき方を知って家庭で料理に活かしてほしいという想いで、20~49歳までを対象とされています。「魚食を普及させること」を目的としているため、さばき方から鯛を使った料理の作り方を教えています。
市内に在住または通勤・通学している20~49歳までの方を対象(原則、年度内1人1回)とし、定員は先着20名です。
参加費は1人500円で、天然鯛(天然鯛が難しい時は養殖鯛)とご飯・そして講義代が含まれています。
毎回上記の3品を作りますが、9月と12月には正岡子規や夏目漱石が愛した郷土料理「松山鮓」を作ります。その時は、松山鮓・刺身・潮汁・ムニエルになります。
この他、松山市公設水産地方卸売市場運営協議会では魚料理教室支援事業なども行っており、魚食普及や市民の健康づくりまた地域の魅力づくりなどに取り組まれています。
【魚のさばき方料理教室】
開催日:原則月に1回開催予定
開催場所:水産市場(松山市三津ふ頭1-2)卸売場棟2階調理室
対象:松山市内在住または通勤・通学している20歳~49歳の方(原則、年度内1人1回)
参加費:1人500円
定員:各回20名(先着順)
申込方法:住所・氏名・年齢・性別・電話番号・参加日を、ハガキまたはFAX・Eメールで申請。
問合せ:松山市中央卸売市場水産市場 運営協議会事務局(松山市役所市場管理課水産市場)
電話番号:089-951-2311
詳しくはこちら:http://goo.gl/wXgXs