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2012年8月〜2015年6月の約3年間「瀬戸内・松山食べ巡りプロジェクト」で、取材撮影をした編集部によるレポートです。
事業期間終了と共に運営変更に伴い、「瀬戸内・松山 しまめぐり」の事業では更新することはありませんので、ご了承いただきますようお願いします。

|グルメ

PATISSERIER SORCIE

遊び心であふれるパティスリー・ソルシエ。
山吹色の建物に魔女、緑あふれる店のドアを開けると、店内には数々のケーキや焼菓子があります。『オペラ歌手』『雑誌に出てくる苺タルト』など、ユニークな名前のケーキ。「日本語で分かりやすく、味を想像するというワクワク感を・・」というオーナー伊與田泰之氏の遊び心を感じさせてくれます。そこには見て味を想像する探究心、食して満足という感動。その一連の流れを感じます。店内はカフェスペースもあり、可愛らしい雑貨なども販売。その雑貨は奥さまと娘さんが選ばれており、家族みなさんの気持ちが集まった店です。

ソルシエ

ソルシエ

食材を「命」と表現し、その命の特徴を感じて「菓子」という形に変えるという味覚のマジックがあると伊與田氏は言います。それがフランス語で「魔法使い」を意味する店名「ソルシエ」の由来であり、夢や希望で溢れています。
命と表現する大切な食材は、「ある時にある物を・・・」と。だからそれが地元であっても海外であっても、その時期の旬の物を使われています。例えばマンゴーなら本場の沖縄に行かれるほどの本気さ。様々なマンゴーを食し、宮古島で収穫できるマンゴーに出会ったときは感動したそうです。食材とは土壌によって味も香りも違ってくる、だからこそ自分で食したいと言います。

ソルシエ

伊與田氏が大切にされていること、それは「香り」です。香りとは口に入れた時、そして食べた後に出てくる匂いがあり、味では表現出来ないものです。その食材の特徴を生かし、そしてリキュールによりその働きをより生かすようにされています。
そして何よりも大切にされていること、それは「人」です。「『人の繋がり』が素敵な食材との出会いであり、菓子作りに繋がっていく。その為には自分からアプローチをしなければ誰も気づかないし、知り合うきっかけ作りにもならない。また何をするにしてもそこに信念があるならば、揺らぐことなく進める」と言われていました。「どんな事にでも楽しさを見つける」それが希望と夢にあふれた笑顔の店と菓子に繋がっているのでしょう。

ソルシエ

中学生の頃に友達に言われた「将来ケーキやになるんやろ?」の一言が、この道に進まれたきっかけに。クラス全員の前で「ケーキ屋になるぞ!」と、引くに引けない返事をしたその時のことを苦笑いされながら話してくれました。とはいえ、小学生の時に「ケーキ屋になりたい」と作文で書かれていたそうで、幼い頃の夢をかなえられたということなのでしょう。卒業後大阪の店で就職。ドイツで2年の修業を終えて、この愛媛松山市で「パティスリー・ソルシエ」を1991年にオープンされました。

ソルシエ

ソルシエ

ソルシエ

菓子作りだけではなく、どんなことでも「本物」を追求されています。ソルシエの看板など店の至る所に手作り作品があり、バームクーヘン専用小屋も自分で作られました。
城川町産の自然四季の地鶏卵を使い、生地の柔らかさとしっとり感を追求されること約1年近くかかったとか。試行錯誤を重ね出来上がったバームクーヘンのようなフランスの伝統菓子「ガトー・ア・ラ・ブロッシュ」は、人気商品の一つです。ガトー・ア・ラ・ブロッシュは、フランスのガスコーニュ地方の銘菓であり、ブロッシュとは串刺しの意味で「ガトー・ピレネー」とも呼ばれています。一説によるとナポレオン戦争時代に今のドイツに伝わって、バームクーヘンの元になったようです。
独自の生地で長時間かけじっくり焼き上げます。焼けた生地の上に生地をかけて・・・その繰り返しを12回。ギザギザの形を作り出す秘密兵器で大まかな形を作って、後はヘラのような物で形を整えていきます。じっくりと焼き上げられた表面はザクッと、中はモチモチ。ふわっとした食感のバームクーヘンとは違い、程良い歯ごたえが特徴です。

表面はザクッと、中はモチモチの「ガトー・ピレネー」

ソルシエ

「その時、その瞬間を楽しみ生きて行く」それが伊與田氏の心髄であり、菓子にその想いが注がれ、伊與田氏の魔法にいつしか心地よいひと時を感じるかもしれません。

ソルシエ

 【パティスリー・ソルシエ】
住所:愛媛県松山市谷町甲158-6
電話番号:089-978-1313
定休日:無
営業時間:9~20時
駐車場:20台
パティスリー・ソルシエHP:http://www.sorcie.co.jp/index.html

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