2012年8月〜2015年6月の約3年間「瀬戸内・松山食べ巡りプロジェクト」で、取材撮影をした編集部によるレポートです。
事業期間終了と共に運営変更に伴い、「瀬戸内・松山 しまめぐり」の事業では更新することはありませんので、ご了承いただきますようお願いします。
茶房ひょん
松山市のロープウェイから1本入ったところに、緑に囲まれた1軒のお家があります。コンクリートの多い街の中で、まるで自然を見つけたような・・・そんな感じさえする「茶房ひょん」は、木のぬくもりを感じる店内に「ただいま」と言ってしまいそうな雰囲気が漂います。
「茶房ひょん」の店名は、正岡子規が詠んだ句「我見しより 久しきひょんの 茂哉」にあやかったそうです。「ひょん」とは常緑樹のイスノキのことで、「咲いて(満作)、そして常に派が茂っている(常に繁盛する)」との願いを込められています。
創業2002年の茶房ひょんは、数々の工芸品や書物の他、趣味がカメラというオーナー大屋千鶴子さんが撮影された写真が飾られています。「私が昔から好きで集めた物ばかりなんよ」という店内はどこか統一性があり、多くの植物が自然の中で呼吸をしているような落ち着いた雰囲気があります。店内はカウンターと小上がりの座敷・個室があり、火鉢で暖をとりながらゆっくりと過ごせる場所がありました。
茶房ひょんで頂ける食事「ひょん日替わり膳」は、地元で採れた旬野菜や乾物を使われ野菜中心の食事です。旬の物を使っているので、メニューはその日によって違うようです。
その野菜などが持つ味を生かし、醤油・塩・砂糖・味噌を使った和食。そして何種類も食材を入れず、ベースになるものに少し何かをプラスするという料理。そのようにシンプルな料理法は、穀物や野菜・豆類などのエネルギーをそのまま味わえると言われていました。白ご飯ではない「変わりご飯」は、主食となるご飯にも健康への配慮が溢れています。
また器も焼き物が好きな大屋さんが昔から集められたものを使用されており、家庭的な温かみを感じます。
常連さんが多いですが、初めて来た方でもなぜだかふっと溶け込めてしまう・・・そんなとっても温かいお店です。時間を忘れ、会話を楽しむ。そしてそこで食べられる食事がある。「街の中でつどえる場所でありたい」そう想う大屋さんの気持ちが伝わって、笑顔と人の声が温かく包み込む場所となっています。
【茶房ひょん】
住所:愛媛県松山市喜与町1-6-9
電話番号:090-8978-2708
営業時間:10時半~18時
定休日:火曜日
駐車場:無