2012年8月〜2015年6月の約3年間「瀬戸内・松山食べ巡りプロジェクト」で、取材撮影をした編集部によるレポートです。
事業期間終了と共に運営変更に伴い、「瀬戸内・松山 しまめぐり」の事業では更新することはありませんので、ご了承いただきますようお願いします。
プレミアムドラマ「歩く、歩く、歩く ~四国 遍路道~」関連イベント 『こころ、みつめて・・・遍路&宿坊入門』
雲が沈んで天気が不安な当日、放送局前に前に申し込んでいた参加者が集まります。
中国・ベラルーシから留学生を含む23名が集合。
局内で注意事項とスタッフ紹介があり、いざ出発
車中、お遍路講座を三原さんから案内がありました。
最初の57番札所「府頭山 無量寿院 栄福寺」に到着、雨がふっています。
皆さん傘やカッパを着用してお寺に向かい、境内では、さっそく作法通りに手水舎で手を洗います。
ご住職のご法話を聞きました。
それから本堂にお参りします。
荘厳な雰囲気と程よい暗さが雨とマッチして俗世間の汚れを洗い流してくれる気がします。
雨がいよいよ本格的になってきました。
ここからは歩き遍路で次の58番札所「作礼山 千光寺 仙遊寺」へ向かいます。
距離は約2.5㎞、山歩きなので想像以上に大変です。
17時、やっと仙遊寺に到着しました。皆さんお疲れの様子で言葉数も少なくなっていましたが、到着後各お部屋で荷物を下ろし夕食前にお風呂に入ります。ここのお風呂は温泉なのがうれしい。
疲れも癒され、カラダが軽くなっていくのがわかります。
夕食は精進料理です。仙遊寺の精進料理は美味しいので有名。
今晩のおしながきは以下の通り
煮物(かぼちゃ、あげまき、なめこ、花にんじん、枝豆)/白和え/おから/胡麻豆腐/蕪の酢の物/いも団子(里芋のあんかけ)/
天ぷら(かき揚げ、よもぎ、金時草、にんじん草、もみじ)/天つゆ/玄米ご飯(餅米入り)or 白米/なめこと生麩の三つ葉のお吸い物/
うれしいのは、すべて自寺で採れたものだそうです。天ぷらの金時草、もみじを食べるのは初めてかもしれません。葉の美味しさって初めて知りました。味は、全部が薄味ではなくしっかりしたものもあり予想以上に美味しかったです。それに玄米ごはんに慣れていない人の為に白米も用意されていました。玄米ごはんには餅米も混ぜているので、予想以上のパサパサ感はありません。
ここで、副住職から少しお話がありました。
「みなさんの食事は、「しょくじ」といいますね。私達の世界では同じ漢字でも「じきじ」といいます。「しょくじ」とはみんなで楽しく食べること、「じきじ」とは別の命をいただいて明日生かされる事を感謝しながら食べること。」
食事後は、副住職のご法話の時間です。
ところどころにオヤジギャクをいれながら、わかりやすいお話で時間を忘れてしまいます。
最後に阿字観(アジカン)体験です。
これは座禅みたいなもので今回は10分間の阿字観です。部屋が一瞬のうちに静かになり、雨、風、足音等、普段気にしていない音が耳に入ってきます。普段、私たちはこんな騒音の中で生活しているんですね、慣れないうちは様々な事を考えてしまうそうです
最後は、部屋を変えて番組を観ます。
しこく8「ばあちゃんの一期一会 ー善根宿 萩生庵ー」平成23年7月15日に放送されたものです。今回は時間の都合上一部カットしましたがお遍路さん、お接待する人、それぞれが想いを秘めつらくても生きている姿に、お接待することはお遍路回りしている人と同じかもしれないと思いました。
最後に番組のディレクターの話があり、前回の番組「おばあちゃんの一期一会」の感想と、来年放映される「歩く、歩く、歩く ~四国 遍路道~」の見所・裏話をお聞きしました。
私はここで取材終了です。
みなさんは明日の朝、朝のお勤め、住職の法話、朝食、写経体験と続いて松山に戻る予定だそうです。
今回、同行取材させていただいた感想です。
何と言っても、NHKスタッフの真摯で丁寧な応対には正直いって驚きました。
私は、様々なイベントやツアーに参加させていただいていますが、番組制作している人達がここまでやるのか!と思いました。
しかし、巡って行くうちに分かったのです。
これは番組を作る姿勢から自然に出てくるもので、そこには番組に対する熱い想いがそうさせているのではないか、これら一連の行動は作ったものではなく自然にカラダの中から湧き出るもの。
言い換えると、番組作りとは一人で作るものではなく、周りのスタッフ全員の想いを一つの映像にまとめることで初めて完結するもの、それは、時間外の表示されない流れこそが作りあげているのかもしれない。その見えない部分を垣間見た気がしました。
お接待する「こころ」とは、お遍路の世界だけでなく日常の世界でも見ることが出来るのです。
そのような人達の作る番組「歩く、歩く、歩く ~四国 遍路道~」(来年1月20日(日)夜10時)は、単なる1時間の番組というのではなく、膨大な時間をかけて何重にも構築されたストーリーの一つかもしれません。
今回、お遍路と宿坊のイベントに参加させていただきありがとうございました。感謝の気持をこめて・・・