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2012年8月〜2015年6月の約3年間「瀬戸内・松山食べ巡りプロジェクト」で、取材撮影をした編集部によるレポートです。
事業期間終了と共に運営変更に伴い、「瀬戸内・松山 しまめぐり」の事業では更新することはありませんので、ご了承いただきますようお願いします。

|その他、文化・歴史

古田織部の世界で一期一会の「茶」を味わう

一椀のお茶を通して、和敬清寂の教えを心に刻む日本独特の茶道。
その茶道の世界を道後温泉街にある道後舘では、宿泊客に味わって頂くというおもてなしをされています。道後舘3階庭園にある茶室「儒安堂」は、道後舘のおもてなしの心の原点となっています。京都誓願寺竹林院にあったと伝えられる先刻武将・古田織部好みの茶室を再現。京都の宮大工による本格的数奇屋作りで、日本庭園に面して左右に配しています。

儒安堂

本館から儒安堂へ足を運ぶと、しだいに現在から古部織部の世界へ導かれます。立礼席から儒安堂へと続く外露地にある外腰掛で迎付けを待って間、静かな空気の流れを感じ次第に心が穏やかになっていきます。そして亭主があらかじめ水を打って清めた露地などから、亭主のおもてなしの心を感じとるのです。露地とは茶室への通路というだけではなく、精神の準備をする場であり、一期一会の主と客の交わりへの入口でもあります。

儒安堂

亭主の合図により灯りのともる小道から中潜りへ進み、手水鉢で手を清め口をそそぎ席入りします。茶室には、武将茶人 古田織部の茶の心意気が、それを継承した上田宗箇の心が継承されているのです。古田織部は戦国を生きた風流な武将で千利休の愛弟子であったが、織部は自由で独特の茶道文化・茶道具を生み出したといわれています。儒安堂は、対立するものの組み合わせ、軸線を「ずらし」た手法など特長的であり伝統と現代の共生ともいえます。

儒安堂

3畳の客座は1人1畳とし、客座を挟んで点前座と相伴席が配置された間取りです。茶道裏千家淡交会伊予支部である中島宗津氏が、宿泊のお客様へのお抹茶のおもてなしをされています。楽しみに旅行に来られている宿泊客に「お茶は身近なものなのだと感じて頂きたい」という想いで、お茶席とはまた違った雰囲気で迎えます。その中で学ぶ茶席の心得、それはおそらく何かを得て帰る事でしょう。茶の点て方・作法など丁寧な教示により、安心し気軽に茶の世界を味わう事ができるのです。

儒安堂

儒安堂

儒安堂

儒安堂

儒安堂

お茶室の空間で時間を共有する・・・それは「一期一会」なのです。おもてなしの心で迎える亭主、その心を感じとる客人、そこには言葉を交わさなくても意思を通わせ合う「以心伝心」の文化が繰り広げられているのです。日本の伝統文化である「茶の世界」を古田織部が醸し出した儒安堂で、旅の思い出に味わってみるのも乙かもしれません。

儒安堂

儒安堂

【ご利用について】
場所:道後舘3階庭園 茶室「儒安堂」
時間:20時15分〜20時45分/20時50分〜21時半/21時半〜22時
料金:1人500円
   ※道後舘にご宿泊の方のみ
   ※7・8階松風楼客室および3階特別室ご宿泊の方は無料
道後舘公式サイト:http://www.dogokan.co.jp/

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