2012年8月〜2015年6月の約3年間「瀬戸内・松山食べ巡りプロジェクト」で、取材撮影をした編集部によるレポートです。
事業期間終了と共に運営変更に伴い、「瀬戸内・松山 しまめぐり」の事業では更新することはありませんので、ご了承いただきますようお願いします。
男祭り!道後の鉢合わせを体験
松山の秋祭りは、10月5日から7日の3日間に渡り繰り広げられる。7日の朝には、道後温泉駅前で伊佐爾波神社から6体と湯神社から2体の合計8体が集まり壮大な鉢合わせが行われる。
朝まだきの道後を、かき手達がザクザクと神社へ向かう。沿道には、これから始まる宮出し・鉢合わせの期待感で静かなざわめきが満ちている。
神事を終え伊佐爾波神社から神輿の宮出しが始まる。階段の上の方から神輿のかき手たちの掛け声と観客のどよめきが近づき、やがてその姿をあらわす。
一台一台降りてくる神輿とそのかき手たちがそれぞれの持場へ移動していき、道後温泉駅前のボルテージはいやが上にもアップする。
8体の神輿が揃ったところで、鉢合わせが始まる。前半4回、後半4回の計8回の鉢合わせだ。
ことのほか激しい道後の鉢合わせは、松山人のおっとりしたイメージとかけ離れた、激しい男の祭りだ。神輿同士がぶつかる毎に、ドスンという鈍く重い音がからだに響く。これが鉢合わせの醍醐味だ。
鉢合わせを繰り返していくごとに辺りは次第に明るくなり、宵闇からの宮出しから鉢合わせがここに終了。最後の揃い踏みでは観客から大きな声援と拍手が湧き上がり、かき手と観客が神輿というアイテムで1つになり、やがて「わっしょいわっしょい」という掛け声と共に1台1台と街へ繰り出して行った。
15時から始まる立花の河川敷は、日の出・立花・長町・新小栗の4体である。その昔中ノ川の交通をストップして執り行われていた鉢合わせが、今は河川敷で執り行われている。
4体の神輿が掛け声と共に広場に入ってくる。最初の2体は横向きで胴や屋根をぶつけあい、後の2体は縦にかき棒同士を絡め合わせる。それぞれがゆっくりとした時間のなかで執り行われる。珍しいものに、神輿の後を太いロープで引っ張るというのがある。鉢合わせの際、後ろから一気に引っ張るというもので、ここでしか見ることのできないものだ。