2012年8月〜2015年6月の約3年間「瀬戸内・松山食べ巡りプロジェクト」で、取材撮影をした編集部によるレポートです。
事業期間終了と共に運営変更に伴い、「瀬戸内・松山 しまめぐり」の事業では更新することはありませんので、ご了承いただきますようお願いします。
芸術に触れ感動を味わった「文化庁メディア芸術祭松山展」
文化庁メディア芸術祭松山展が、2014年9月5日〜21日まで愛媛県美術館 特別展示室で開催された。
15日間におよぶ芸術祭は、のべ6000人が来場し「生」の芸術に触れ感動を味わった。
「MOVEメディアで拡がる身体表現」をテーマに、「ジョジョの奇妙な冒険」でも人気のある荒木飛呂彦氏の描いた原稿や、映像で再現するダンスが生み出す不思議な美術作品やアニメーション作品など約15点が展示された。
松山市の古典芸能である能楽や「マッツとヤンマとモブリさん」上映会などもあり、松山会場らしい色を魅せた。
なかでも手で触れると動きに合わせた振動が分かるインタラクティブアート・大脇理智氏の作品「skinslides」は、多くの人が驚きと感動を隠せない様子が伺えた。暗闇の床に1畳分のパネルと音楽。そこに映し出されるダンサーの影に手を置くと、ダンサーの動きや質感がリアルに伝わってくる。「ダンサーを永久保存する為のインターフェイス」として考案されたダンス映像インスタレーションは、不思議な世界を醸し出した。
他にも、目の動きだけで絵が描ける装置「アイ・トラッキング装置」と専用ソフトウェアの開発に成功したプロジェクト「The Eye Writer」の紹介コーナーもあった。ALS(筋萎縮性側索硬化症)で体が麻痺したグラフィティアーティスト・TEMPT1が、「再び絵を描けるように」という願いをきっかけに始まったプロジェクトである。
また彫刻の頂点ともいえる仏像を動かしポーズをとらせる「動く仏像フィギュア リボルテック タケヤ」は、伝統と作者独自の表現が融合した未体験のアクションフィギュアになっていた。
見るだけでなく、実際に手に触れたり体験できるこのような芸術祭は、新たな発見と感動を多くの人に与えたであろう。そして創造性を膨らまし、また新たな芸術を生み出すのである。
文化庁メディア芸術祭は、アート・エンターテインメント・アニメーション・マンガの4部門において優れた作品を顕彰するメディア芸術のフェスティバルである。1997年から開催し第18回目を迎え、これまでに多くの素晴らしい作品が受賞された。9〜11月に審査が行われ、部門ごとに大賞1・優秀賞4・新人賞3作品を選定する。受賞発表は2014年11月下旬にあり、受賞作品展は2015年2月4日〜15日に国立新美術館などで行われる。
第18回文化庁メディア芸術祭HP:http://j-mediaarts.jp/
文化庁メディア芸術祭松山展HP:http://mediaarts.kaiworks.com/