2012年8月〜2015年6月の約3年間「瀬戸内・松山食べ巡りプロジェクト」で、取材撮影をした編集部によるレポートです。
事業期間終了と共に運営変更に伴い、「瀬戸内・松山 しまめぐり」の事業では更新することはありませんので、ご了承いただきますようお願いします。
地物食材でつくる料理教室で、「松山の美味しい」を学ぶ
まつやま農林水産物ブランドを使った料理教室「瀬戸内を味わう大人ご飯」が、2014年8月19日(火)夕方よりフジカルチャーサークルで開催された。株式会社フジ・ウィークリーえひめリック主催、まつやま農林水産物ブランド化推進協議会協賛で、兵頭よし子さんを講師に迎えて行われた。
今回用意したブランド食材は、「ぼっちゃん島あわび」「瀬戸内の銀鱗煮干し」「松山長なす」「伊台・五明こうげんぶどう」「松山ひじき」等で、日常使用する機会の少ない食材もあり松山の新ブランドとしてぜひ知っておきたい食材が揃っていた。
講師の兵頭さんから、美味しい食材の持ち味を生かす調理方法の説明があった。今回の料理は、「ぼっちゃんあわびの混ぜずし」「県内産真鯛を使った真鯛の柚子こしょうソース」「松山長なすのみぞれあん」「松山ひじきとアボガドのサラダ」「伊台・五明こうげんぶどうまるごとゼリー」の5品である。
活きている新鮮あわび、怒和島でエサの昆布やワカメを生育したものを与えた「ぼっちゃん島あわび」の殻は、食材の色が反映されているという話があった。殻の緑色の鮮やかな色が際立っているのは、自然の海藻類をエサにしているということ。
生きているぼっちゃん島あわびは殻に身がしっかりくっついているので、受講生の皆さんは苦労して外しにかかる。ここでは大きなスプーンが利用されていた。
松山長なすの大きな特徴として、皮が薄い事が上げられる。薄いのはそのまま食べる事が出来るという事、それは食材の旨みを逃がすこと無く味わうことが出来るのである。
今回の調理は食べやすくカットしたナスを素揚げし、そこにダシとおろした大根であえたみぞれあんをかけるという至ってシンプルな味付けで、素材の味を最大限味わえるという。
伊台・五明こうげんぶどうまるごとゼリーは、皮から取り出したぶどうがまるごと入った贅沢なゼリーである。皮から抽出した自然のぶどう色が、食欲をそそる逸品に仕上がっていた。
一般的にひじきは煮物としての使い方が主流であるが、今回は他の海藻類でも使用される「サラダ」として味わう。一緒に合わせるのはアボガドである。ひじき独特の潮の匂いが気になる方は、煮沸すると消すことが出来るそうだ。今回は時間の関係で、あらかじめ調理済みのものが用意されていた。
愛媛県は鯛の産地で有名。天然真鯛はもちろんのこと、養殖も非常にレベルの高い真鯛で天然物にも引けをとらない優れものである。
「真鯛の柚子こしょうソース」は薄力粉をまぶしただけの鯛を焼いたものに、柚子こしょうソースという至ってシンプルな味付けだけでいただく。
今回の調理は基本的に素材の持ち味を最大限引き出した調理であり、どれもがその美味しさを堪能できる至福のメニューと言える。このような料理教室を通し、松山のブランド食材を主婦などに知っていただくことは、これからの地消を形成する上で大切なキーワードと言える。