2012年8月〜2015年6月の約3年間「瀬戸内・松山食べ巡りプロジェクト」で、取材撮影をした編集部によるレポートです。
事業期間終了と共に運営変更に伴い、「瀬戸内・松山 しまめぐり」の事業では更新することはありませんので、ご了承いただきますようお願いします。
2014年10月頃、松山市中心地に憩いの場が誕生する。
松山市都市デザイン課と専門家そして松山市民で、松山中心地に憩いの場所を造りあげていく動きが2013年より始まっている。その動きは「松山市都市デザインワークショップ」であり、「まちなかの魅力再生と活性化」をテーマに2013年12月と2014年2月の2回開催。第1回は「松山のお城下(中心部)の魅力を考える」をテーマに、約30名が意見交換。まちづくりの方向性・まちなか活性化に向けた提案などについて話し、商店街の再生や店舗スペースの共有化など多くのアイディアが出た。それを踏まえた第2回は「松山におけるまちなかの空間利用の可能性」をテーマに、約35名が参加。まちなかで望む事・やってみたいこと、その実現のためにまちなか広場にあったらいいものについて話した。(※写真提供:都市デザイン課)
2回のワークショップで出た意見を元に、「まちなかに“みんなのひろば(仮称)”を作ったら、どのように使い行動するのか?」という賑わい再生への効果を検証するための社会実験が、2014年10月頃から2016年2月頃までの約1年半行われることになった。少子高齢化・来街者の減少・潤い(みどり)の不足・低未利用地の増加などまちなかの課題であり、中心市街地の生活圏の再構築を図るために、気軽に立ち寄れ皆が楽しめるまちなかの“公共空間“を作ってみては・・・それが「みんなのひろば(仮称)」の誕生である。場所は松山市商店街の銀天街から1本入った元濱商パーキングと高木ビル(1・2階)の広場と施設であり、2014年7月上旬から調査などの工事準備が始まっている。
元濱商パーキングは芝生広場スペースとして設備(約300㎡)、高木ビル1階は公共スペースとして開放(約70㎡)、2階はラウンジや事務所として整備(約70㎡)であるが、設備や使用方法など今後の話合いの中で決めていくようになる。
そして今回2014年7月23日に開催された「みんなのひろばワークショップ」の第1回は、「みんなのひろばで“何ができそう?”」をテーマに意見交換を行った。これまでの取り組みや主旨など東京大学大学院工学系研究科の羽藤英二教授と梅岡設計事務所の梅岡恒治氏を講師から説明、現場検証後に「広場でやりたいこと、+αしたらいいもの」について平面図やパースに描きこんでいった。
各班発表を行うが同テーマでも各班でポイントが異なり、道線や目的・サインなど様々な角度から捉えた意見が交わされた。そもそも丘は必要であるのかという意見に対し、丘を“サイン”とする対称的意見もでた。現場検証を行った事により、具体的な意見が出たのである。それは広場での水使用方法についても同じであり、調査中に偶然水が湧いた話しを聞き(飲料水水質検査中)現場検証により具体的な案に繋がったのである。
今回の参加は53名と応募人数よりも大幅増え、それほど松山市民が街の活性化に関心度が高いことが伺える。「面白そう、楽しそう」という参加理由の方もいて、だからこそ枠に囚われない意見が出るのであろう。そして何よりも「みんなのひろば」は、市民が使って行くのである。その使用者が意見を持ち寄り、現場に活かされることが関心度を高めているのである。「みんなのひろば」は、正しくみんなで造って行くのである。
今回のワークショップで様々な意見が出たのを元に、第2回は8月20日に「みんなのひろばのコーディネート」、第3回は9月22日に「みんなのひろばで実現案」についてワークショップが開催される。
第2回みんなのひろばワークショップレポート:http://ritoumeguri.com/21656/