2012年8月〜2015年6月の約3年間「瀬戸内・松山食べ巡りプロジェクト」で、取材撮影をした編集部によるレポートです。
事業期間終了と共に運営変更に伴い、「瀬戸内・松山 しまめぐり」の事業では更新することはありませんので、ご了承いただきますようお願いします。
かつての水軍に思いをはせ、広島と愛媛を「のろし」で結ぶ。
広島市の絵下山(えげさん)を起点とし、のろしの煙で順送りして松山まで繋がる『瀬戸内しまのわ2014のイベント「絵下山発 のろしリレー」』が、2014年7月19日に開催された。絵下山10時の”のろし”をトップに、広島市内・宮島・大分の平生・東は尾道まで順送りにしていく。
南に降りてくる中で、中島諸島本島の「泰の山」で撮影を行う。
当日の天気はやや曇り、風も強いので煙が真上に上がるか気にはなったが、時間までの間に泰の山に登り準備を行う。忽那の島々は農道が綺麗に整備されているので、近くのロータリーまで車を利用する。この整備された農道が有ることで生産者の労働負担は軽減され、高齢化の進む島嶼部で助かっているのがわかる。
いよいよ点火。通常は車で使用する発煙筒を束ねて使うことにより、効果を上げるのが狙いだ。
予想以上に火の勢いが強く、その後でモクモクと煙が出始める。風が舞うことで一面が真っ白になる。
同時刻、少し離れた「黒岩城跡」からののろしは、緑の木々の間から白い煙がみえた。やがて多くの煙が、山を覆っていくのがわかる。水軍が行き来していた時代には、こういった「のろし」が情報交換の大切な手段であったろうと予測し、現代から中世への隙間を埋めたような気がした。
絵下山発 のろしリレーは、絵下山で活動される3つの住民グループが、古来の通信手段である「のろし」を使って対岸の愛媛県までの総距離250kmの壮大な「輪」を描くことを企画した。「しまのわ」をきっかけに広がった「輪」が、次の世代に繋がることを願ったイベントである。ある人が思いつきから始まったこの企画は人と人、そして広島と愛媛がつながり、最終的に瀬戸の島々山々全57ヶ所をリレーした。
絵下山発 のろしリレーFacebook:https://www.facebook.com/noroshirelay