2012年8月〜2015年6月の約3年間「瀬戸内・松山食べ巡りプロジェクト」で、取材撮影をした編集部によるレポートです。
事業期間終了と共に運営変更に伴い、「瀬戸内・松山 しまめぐり」の事業では更新することはありませんので、ご了承いただきますようお願いします。
2014年愛媛の酒統一ブランド”mar”誕生!
スペイン料理と調和する愛媛の日本酒「mar」の試飲会が2014年7月1日、地酒アンテナショップ蔵元屋で開催された。2014年の今回は第3弾となり、2014年6月22日に東京にあるスペインバル”BAR de ESPANA Pero”(バルデエスパーニャペロ)で審査会を実施。スペイン料理を代表する「生ハムの料理」「トマトの料理」「アヒージョの料理」の食中酒として、相性のよい銘柄がそれぞれ3銘柄ずつ全9銘柄選ばれた。石鎚酒造、協和酒造、武田酒造、酒六酒造、近藤酒造、成龍酒造、水口酒造、栄光酒造、西本酒造の9蔵元である。
5名の審査員を代表し、愛媛県産業技術研究所の宮岡主任研究員は「酒としての品質に点数をつけ、そして3種類の各料理に合うかどうかで足し引きで審査が行われた。3年を迎えて、料理との相性がより合ってきた。」と話された。
また会場となった地酒アンテナショップ蔵元屋兼株式会社横田酒店の横田代表取締役は、「売り方も大切で、東京で販売をしていくことで知名度をあげたい」と意気込みを語った。
酒は生き物であり、米の品質や酵母など様々な要因が合わさって生まれる。それぞれの蔵元でその特長を活かし、また料理に合う味に仕上げている。
はっきりとした味のスペイン料理には、酸を効かし料理に負けないはっきりとしたキレ、奥には優しい甘さに仕上げた栄光酒造。香りや自然な色などを壊さず、その中に個性を出し日本酒の良さを伸ばした蔵元など、想いはそれぞれである。米を原料とする日本酒は和食と一緒に楽しまれてきた。しかし食文化の変化や酒離れなど、現代社会において”mar”への取り組みはある意味マッチしているのかもしれない。
marが生まれて3年。蔵元でも試行錯誤する中、旨みのあるまろやかな酒が生まれるようになった。
愛媛県産米100%・愛媛県産酵母を使用した純米酒で、一切の行程が愛媛県内で行われている事といった認定基準のもと審査が行われる。そして酒の専門家や料理人などによって、スペインの地中海料理との組み合わせを評価。樽が違えば同じ酒造の樽であっても認定されるとは限らない、厳しい審査を通った純米酒にだけ与えられる称号なのである。
愛媛県と地中海の気候・風土・食文化が似通っている地中海料理、その中でもスペイン料理は愛媛と同じように魚介類や豆・穀類に恵まれ気候も文化的にもよく似たところがある。そこで愛媛の日本酒とマッチングし、mar(スペイン語で”海”を意味する)の誕生となったのだ。地酒の輸出拡大を目指し、愛媛県酒造協同組合が取り組んでいる。
愛媛県酒造協同組合 HP:http://www.ehime-syuzou.com/