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2012年8月〜2015年6月の約3年間「瀬戸内・松山食べ巡りプロジェクト」で、取材撮影をした編集部によるレポートです。
事業期間終了と共に運営変更に伴い、「瀬戸内・松山 しまめぐり」の事業では更新することはありませんので、ご了承いただきますようお願いします。

|イベント

道後オンセナート「霧の彫刻」

2014年3月19日(水)〜23日(日)の5日間、道後の春を告げる道後温泉春まつりが開催されました。今年は道後温泉改築120周年の節目の年と併せて道後オンセナート2014も開催されるので、4月10日のオープンに先駆け3月22日と23日の2日間、本館北側を使って中谷芙二子氏の「霧の彫刻」が先行公開されました。

霧の彫刻

霧の彫刻

霧の彫刻

今回の道後温泉本館を使ったインスタレーションは、本館北側の空間すべてを使った高さのあるものとなっています。自然に舞い降りる霧の不安定な形状とゆっくりとしたスピードが、普段見上げる事の無い空間へ視線を向かわせます。そこに介在する霧という彫刻を見る事で初めて具体的な形として認識され、やがて形を変化させながらゆっくりと消滅する作品となっています。

霧の彫刻

霧の彫刻

「霧の彫刻」は機械的に作り上げた霧でありながら、噴出された時点でそれは自然と同化し、そこに居あわせる人と環境がつくりあげるものになっています。それは大気で創り上げられた彫刻、と言い換えることが出来るかもしれません。大気は風、温度、湿度など不安定な要素で成り立ち、そこに鑑賞者が関わることで認識される作品となり環境が作品としての完成度を高めています。
人・環境と同化した創造物が儚く消えて無くなるという自然と人と環境が織りなす舞台芸術は、まるで遺伝子のような3重の螺旋構造を思わせます。

霧の彫刻

フランスの芸術家であるクリストフ・シャルルが「現代日本の映像芸術」で、中谷芙二子をこう語ります。
「霧は空気中に偏在する水蒸気が一定の気象条件のもとに、目に見える形となって現れるもので、条件が変われば消えてしまう。まつりも同じように日常空間の非日常としてとらえることができる。」
(参考資料:Michael Goldberg「Fujiko Nakaya」、『Video Guide』、Vancouver、1983年、「クリストフ・シャルル・現代日本の映像芸術・第4章:中谷芙二子」より)

霧の彫刻

【中谷芙二子氏プロフィール】
数ある女性映像作家の先駆者で、自然と人間と社会の間にある対立と補足という関係を理解・探求するもので、3つの方向性が明確になっています。1つは美術館・ギャラリーで販売可能な“人間的なテクノロジー”の概念を明示するオブジェや、インスタレーションの制作。2つ目は、庶民階級を対象とする社会的適正のある作品。3つ目は、国の内外を問わず日本的な特性のあるビデオ・アートの承認と普及です。

【霧の彫刻】
期間:2014年4月10日〜2014年12月31日
場所:道後温泉本館 北面ファサード
時間:6〜22時の定刻より数分間(予定)
詳しくはこちら:http://www.dogoonsenart.com/

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