2012年8月〜2015年6月の約3年間「瀬戸内・松山食べ巡りプロジェクト」で、取材撮影をした編集部によるレポートです。
事業期間終了と共に運営変更に伴い、「瀬戸内・松山 しまめぐり」の事業では更新することはありませんので、ご了承いただきますようお願いします。
優しい母の味は、家庭の味。
松山市中心地に、街中の喧噪を忘れるようなカフェがある。オーナーが大好きな兎がロゴマークの「カフェ兎遊(とゆう)」は、木のぬくもりを感じさせる優しい雰囲気で迎えてくれる。
”ほっ”とする店内ではいつの間にか時間さえ忘れさせ、憩いの場となっている。
3人のお子さんを育てられてきたオーナーの奥平久美子さんは、身体にいいものそして飽きさせないといった普通のお家ご飯を作られて出されている。「美味しい」とご家族が言ってくれたもの、身体のことを考えて作ったもの、それが家庭的な味であり温かみとなっているようだ。
地産地消の野菜は新鮮でみずみずしく、旬の味となっている。
「カフェをしてみたい!」そのような気持ちを持ちながら、3人の子どもを育てられてきた。お子さんが巣立ち、優しい娘さんの後押しがあってオープンとなったお店では、大好きな兎に囲まれながらの毎日の生活。しかし1人で買い出しから始まってメニュー決めや食事作りなど、することは沢山。「けっこうすることが多くて、大変なんよ」と言われていたが、その顔はとても生き生きとされている。来てくださるお客様の笑顔が一番の活力となっているのだろう。
木の温もりはあたたかくそして心地よく、その時間を楽しませてくれる。
日本最古の漫画と言われている「鳥獣人物戯画(ちょうじゅうじんぶつぎが)」は、京都市右京区の高山寺に伝わる絵本墨画の絵巻物。猪や兎・猿などの干支入りしている一流動物を相手に、主役のカエルが大活躍という絵である。
着物の柄などにも使われる事が多く、最初に鳥獣人物戯画を見たときに奥平さんは一目惚れされたとか。カフェをオープンするときには一番目に触れる部分に飾りたいと、大きな額に入れている。ちょっと疲れた時、きっと励みになっているのだろう。
その大好きな兎と、奥平さんが持っている素敵な遊び心が、カフェの名前にもなっている。「兎が遊ぶ」って、なんだかお話にもでてきそうな響きで「わくわく」とする。
そのような家庭的なお店は、全体の飾りや庭に咲いているような素朴な花によって調和されているようにも感じる。また手作りの小物や雑貨なども販売されている。
奥平さんの温かなお母さんのような笑顔とお料理で、優しく迎えてくれる店である。
【カフェ兎遊】
住所:愛媛県松山市一番町2-5-27 パークワンビル1階
電話番号:089-947-0071
営業時間:平日11〜21時/土・日・祝11〜18時
定休日:水曜日
駐車場:店南隣(飲食1,000円以上で1時間無料のサービスあり)