2012年8月〜2015年6月の約3年間「瀬戸内・松山食べ巡りプロジェクト」で、取材撮影をした編集部によるレポートです。
事業期間終了と共に運営変更に伴い、「瀬戸内・松山 しまめぐり」の事業では更新することはありませんので、ご了承いただきますようお願いします。
初子祭(はつねさい)
「初子祭(はつねさい)」は松山市の道後で年始めの最初のお祭りであり、毎年成人式とその前日の2日間、松山市道後湯之町の湯神社で開催されます。
湯神社にまつられている大国主命(おおくにぬしのみこと)が火に囲まれてピンチのところをねずみに救われたという伝説に基づき、古くから旧暦11月の初めての子(ね)の日に祭りが開かれるようになり、「初子祭」の名がつけられたといわれています。戦後は、人での多い成人式の日に合わせて2日間行われるようになりました。
初子祭では様々な催しがあり、2日間で数回ある「縁起のお餅まき」では力強く投げられた餅を訪れた方は両手いっぱい伸ばして「福」をつかみとる人たちで賑わいます。
「1年経っても葉が落ちにくく黄金色にかわる」という縁起物として人気が高い「縁起笹」には、抽選券付きで当たると福男福女として翌年の初子祭の餅まきに参加できる、というダブル福付きとなっています。
この枯れても葉の落ちない招福開運の「縁起笹」の笹は、松山市道後の奥で育っている「小判笹」という種類です。小判笹は2〜3日で”くるっ”と葉が丸まってしまう前日に採りに行くので、初子祭当日は青々としていますが、次第に黄金色に変化しそれがまた縁起がいいと言われています。
他にも地元有志による獅子舞・水軍太鼓などがありお祭りをもりあげます。
また神府焼上祭が行われますが、「神符焼上祭」とは一般的に「どんど焼」の事です。どんど焼とは小正月(1月15日)の行事で、正月の松飾り・注連縄・書き初めなどを家々から持ち寄り、1か所に積み上げて燃やすという日本全国に伝わるお正月の火祭り行事です。一般的には、田んぼや空き地に長い竹や木・藁などで作ったやぐらや小屋(どんどや)を組んでそこで燃やし、残り火で柳の木などでさした団子や餅を焼いて食べます。どんど焼きの火にあたったり、焼いた団子を食べればその1年間健康でいられるなどの言い伝えもあり、無病息災・五穀豊穣を祈る伝承行事です。どんど焼きの語源は、火が燃えるのを「とうと(尊)やとうと」とはやし立ててた言葉がなまったのだとか、どんどん燃えるようすからついたのだとか言われています。
先ずはお祓いをします。修祓・献饌・祝詞奏上・玉串奉奠・撤饌・神酒拝戴の順番になります。
火切り金にて忌み火を熾して点火。火を他のお飾りにうつして、昨年1年間お護りいただいた御札・お守りをお焚き上げします。
地元消防団により、鳶口 (とびぐち)で火のまわりをよくしていきます。鳶口とは、竹や木製の棒の先端に鉄製の鉤(かぎ)をつけ、破壊消防や木材の積立・搬出・ 流送などを行う道具のことです。
湯神社は道後の湯を守る神様であり、会場にはその湯を味わってもらおうと特設足湯が用意され、冷えた足をゆっくりと温めている方が多くいます。
道後温泉の繁栄と開運を願う「初子祭」は、氏子らでつくる道後温泉地域振興会などが主催されています。
【初子祭】
場所:湯神社
住所:愛媛県松山市道後湯之町4-10
社務所電話番号:089-921-0480
宮司宅電話番号:089-947-74471
駐車場:有(80台)※初子祭の2日間は無料
開催時期:成人式の前日と当日の2日間
湯神社HP:http://yu.mydns.jp/