2012年8月〜2015年6月の約3年間「瀬戸内・松山食べ巡りプロジェクト」で、取材撮影をした編集部によるレポートです。
事業期間終了と共に運営変更に伴い、「瀬戸内・松山 しまめぐり」の事業では更新することはありませんので、ご了承いただきますようお願いします。
松山鮓を道後の老舗「ふなや」で味わう
松山では祝い事や訪問客の際に、各家々で「チラシ寿し」を作りもてなしてきた。その昔、夏目漱石が正岡子規宅を訪れた時、母・八重が漱石をこの寿しでもてなした。漱石はひと粒も残さず食し、たいそう喜んだと言われている。グルメであった子規にとっても大事なふるさと松山の味であった。松山地方では、この「松山鮓」を、混ぜるという言葉の方言「もぶる」をもちいて「もぶり鮓」とも言う。
昔から愛され続けてきた松山鮓を「ふなや」のレストラン葵苔で頂ける。
「ふなや」は、寛永年間(1624年)頃に創業し道後温泉と共に歩んで390余年、松山の移り変わりを体験してきた老舗温泉旅館である。
松山鮓は、エソやトラハゼ等の瀬戸内の小魚でダシを使った合わせ酢を使っている。ダシ付きのやや甘め合わせ酢こそが松山鮓一番の特徴で、地元で獲れる小魚の旨みが凝縮された芳醇な美味しさを堪能でき、酢飯そのものにも瀬戸内の風味を味わえる。
松山鮓は具材も大事であるが、何と言っても基本はダシが勝負。小魚はエソやトラハゼなど、季節の旨いものを店独自の製法で旨みタップリのダシをとる。その甘めの合わせ酢で、寿司飯を作りあげていく。
地元で獲れる小魚の旨みが凝縮された芳醇な美味しさを堪能でき、酢飯そのものにも瀬戸内の風味を味わえる。さらに、同じ海で獲れた魚介と一緒に頬張る贅沢なひとしなである。
ふなやの松山鮓は、瀬戸内の旨みタップリの酢飯の上に錦糸卵、天然鯛の漬け、海老、タコ、煮穴子、生姜、きゅうりが飾られ目でも楽しめる。鯛の漬けは薄味、上品でシンプルな仕上がりで鯛の旨みを味わえる。穴子は程よい煮具合で、タコも柔らかく、海老の自然の甘さがダシのきいた御飯にピッタリ合う。
「ふなや」の松山鮓は、「伊予の里御飯」ランチ限定で味わる。ランチ利用で、施設内の温泉に入浴ができる。
ふなやの庭にある足湯は、道後地区では珍しい自然の川沿いにある庭園の中にある。道路からは見えない場所で、川のせせらぎのそばで浸かる足湯はことのほか落ち着く。子規記念博物館側の道路に面した入口は夕方まで空いているので、ここから入ることもでき、また夕方以降は正面入口のフロントに声をかけて入れることもできる。
【政府登録国際観光旅館 道後温泉ふなや】
住所:愛媛県松山市道後湯之町1−33
電話番号:089-947-0278
フリーダイヤル:0120-190-278
駐車場:有(無料)※ご利用の際はフロントに連絡。
道後温泉ふなやHP :http://www.dogo-funaya.co.jp