2012年8月〜2015年6月の約3年間「瀬戸内・松山食べ巡りプロジェクト」で、取材撮影をした編集部によるレポートです。
事業期間終了と共に運営変更に伴い、「瀬戸内・松山 しまめぐり」の事業では更新することはありませんので、ご了承いただきますようお願いします。
松山市の秋祭りマップ
「もてこい!もてこい!」
10月7日、松山市は威勢のいい声があちこちで飛びかいます。
激しく神輿がぶつかり合う「鉢合わせ」は伝統的な行事でありますが、その迫力はすごく「けんか神輿」とも言われています。
なかでも7日の早朝に行われる三津浜の厳島神社の祭り、そして道後温泉駅前で繰り広げられる
「生まれ育った地元が好きで、ふる里の祭りが好きなんです。祭りが始まると、住んでいる若者も地元を離れた若者も年に一度のふる里で再会し、一つになって汗を流し声を枯らす感動の渦の中、親兄弟の大切さに気付かされ、素直になり、友が生まれ、祭りという絆で結ばれる。それが松山秋祭りなんですよ。一人でも多くの人に出会える祭り感謝しこれからも大事にしていきたいですね。
戦前からも喧嘩神輿は派手に執り行われていましたが、昭和期に一時中断しましたが、平成になって道後八町も揃い、鉢合せも毎年道後駅前でやるようになり随分元気になってきました。少し気になるのは、パフォーマンスが派手になってきたように思います。しかし、これも時代の流れかもしれませんね。」
宮出し・宮入り時刻表と各神社の場所を集めました。
松山地方祭 時刻表
各神社の場所
【松山】
・朝日八幡神社 愛媛県松山市南江戸5丁目12−4地図
・伊佐爾波神社社務所 愛媛県松山市桜谷町173地図
・嚴島神社 愛媛県松山市神田町1−7地図
・井手神社 愛媛県松山市北立花町2−4地図
・伊予豆比古命神社 愛媛県松山市居相2丁目2−1地図
・大 宮 八 幡 神 社 愛媛県松山市上野町甲50地図
・還 熊 八 幡 神 社 愛媛県松山市山越3丁目3−2地図
・勝 岡 八 幡 神 社 愛媛県松山市勝岡町2592地図
・桑 原 八 幡 神 社 愛媛県松山市畑寺町440−2地図
・金 刀 比 羅 神 社 愛媛県松山市高浜町4丁目乙74地図
・生 石 八 幡 神 社 愛媛県松山市高岡町890地図
・正八幡神社 愛媛県松山市窪野町地図
・高家八幡神社 愛媛県松山市北斎院町198地図
・多賀神社 愛媛県松山市新立町4−23地図
・日尾八幡神社 愛媛県松山市鷹子町894地図
・日招八幡神社 愛媛県松山市保免中1丁目1−18地図
・日吉神社 愛媛県松山市南斎院町1226−2地図
・船越和気比売神社 愛媛県松山市泊町地図
・堀江正八幡神社 愛媛県松山市福角町648地図
・松山神社 愛媛県松山市祝谷東町640地図
・三嶋大明神社 愛媛県松山市西垣生町1228地図
・雄郡神社 愛媛県松山市小栗3丁目4−12地図
・湯神社 愛媛県松山市道後湯之町4−7地図
・番町小学校 愛媛県松山市二番町4丁目6−1地図
【北条】
・国津比古命神社 愛媛県松山市八反地甲107地図
・鹿島神社 愛媛県松山市北条辻1603−15地図
・高縄神社 愛媛県松山市宮内102地図
・宇佐八幡神社 愛媛県松山市磯河内乙226−4地図
松山まつり用語集
松山まつりの言葉はどのようなものがあるのでしょうか。知っておくともっと楽しめる、松山まつり用語を集めてみました。
鉢合わせ
2体の神輿をそれぞれ45度に傾け激しくぶつけあうこと。
もてこい
鉢合わせの前に、男衆たちが相手神輿を挑発する威勢の良い掛け声。
よいさ
宮出しの際に神社に向かう時の掛け声。
一体走り
松山市の指定無形民俗文化財に指定されているもので、ふんどし姿の男衆が、神輿を担ぎ
ながら直線道路を疾走するというもの。神輿を上下左右に揺らすことなく、一直線に駆け
抜ける様は力強く勇壮。
魂振り
神輿を上下左右に荒々しく揺さぶること。
神輿の起源
神輿ってそもそもなんなのでしょう?起源を調べてみました。
神輿の起源
狩猟と採集による移住を繰り返していた時代は、収穫祭の祭壇が起源で、祭りが終わると神輿は壊され、毎年新しい神輿で天上の神様を招いていました。やがて、農耕が始まると人々が定住するようになり、神様に対しても定住が求められるようになりました。その居所として神社が誕生し、その乗り物として神輿が継承され現代に至るとされています。
聖武天皇が奈良に東大寺を建て、奈良の大仏を建立するとき、天平八幡神はこれを助ける為に、宇佐八幡神の屋根に鳳凰が輝く天皇の乗り物(鳳輩)に乗って奈良の都へと都御しました。この鳳凰が神輿の原型とされています。
神輿とは
もともと神輿は氏子が担いだといわれています。この氏子というのが、氏神が治めるその地域の住民で、氏神に信仰を持つ崇拝者を指しています。さらに、その神輿には荒神様がのっているとされることから、神輿を激しく揺さぶることによって荒神様を発動させるという目的がありました。
今の神輿
祭りの日は、神霊を神輿に乗せ氏子の住む地域を巡行するため、氏子たちはわざわざ神社に出向かずとも自宅近くで神詣が出来る日なのです。本来は神霊を担いで静かに回るのが習わしで、神社によっては担ぎ手の神官の息が神輿にかからないように口に紙を咥えて担いだとも言われていました。
それが江戸時代になると各地に様々な神輿の担ぎ方が出て、神輿同士をぶつけたり海や川へ投げ入れるといった風習も定着していくこととなります。