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2012年8月〜2015年6月の約3年間「瀬戸内・松山食べ巡りプロジェクト」で、取材撮影をした編集部によるレポートです。
事業期間終了と共に運営変更に伴い、「瀬戸内・松山 しまめぐり」の事業では更新することはありませんので、ご了承いただきますようお願いします。

|イベント

谷川俊太郎さんの朗読会

詩人の谷川俊太郎(たにかわしゅんたろう)さんによる詩の朗読会が、2014年1月19日に道後舘にて開催された。

谷川俊太郎朗読会

道後オンセナート2014の一環である「泊まれるアート作品群“Hotel Horizontal”」で、道後舘の一室では谷川俊太郎さんによる作品によりアートとなっている。

道後オンセナート

浮いた詩、「はなのいえ」ということばが隠されている和菓詩など、不思議なしかけに楽しさを感じたという谷川さん。写真と展示される状態を聞いて今回の為に書き下ろした詩の数々。出来上がりを見られたのは今回の来松で初だったが、想像以上の出来上がりに感動されたそうだ。また「詩」は食べる事ができないけど、その「詩」を食べる事ができる和三盆に新鮮さを感じられたと話されていた。

道後オンセナート

今回「はなのいえ」にちなんで、音韻を楽しむ「ののはな」や花の生命力を描いた「花」など、「花」に関した作品の朗読もありました。

谷川俊太郎朗読会

自然の中の一輪の草花のように、「詩」を読者の前におきたい。花は何もメッセージも意味をもっていない。目の前にあれば、きれいだなぁと思う。そこからある感動を感じる。詩もそのように作品を提出したい。という想いの谷川さん。元々は車や建築に興味がありプロダクトデザインになろうと思われたそうで、グッドデザイン的なものにこだわっていたそうだ。が、年齢と共にこだわらなくなったと言われていた。しかしとてもおしゃれな姿の谷川さんに、きっとその想いは変わられていないのかもしれない。

谷川俊太郎朗読会

18歳の時に書かれた「二十億光年の孤独」は、谷川さんの原点でもあり「詩」に対するテーマでもあったようだ。
自分がどこに住むか、どこに生きているのか・・・東京杉並区—日本—アジアー地球—太陽系 と自分のいる位置を広げると宇宙に・・・たどり着いた先は、「自分は宇宙の中の1点にいる。人間社会の中で位置を決めるよりも納得がいく。」と自分の位置をそのように考えたそうだ。
宇宙の中で自分という存在は1人で、この世に生まれまた1人で死んでいく。孤独・・・そして頭がついていかなくなってくしゃみを思わずした。笑ったのでもなく泣いたのでもなく、くしゃみをしたという言葉がしっくりしたと言われていた。

二十億光年の孤独     谷川俊太郎
人類は小さな球の上で
眠り起きそして働き
ときどき火星に仲間を欲しがったりする
 
火星人は小さな球の上で
何をしてるか 僕は知らない
(或いは ネリリし キルルし ハララしているか)
しかしときどき地球に仲間を欲しがったりする
それはまったくたしかなことだ
 
万有引力とは
ひき合う孤独の力である
 
宇宙はひずんでいる
それ故みんなはもとめ合う
 
宇宙はどんどん膨らんでゆく
それ故みんなは不安である
 
二十億光年の孤独に
僕は思わずくしゃみをした

谷川俊太郎朗読会

また来場者の質問に応える時間もあり、訪れた人たちは感動ながらに質問をしていた。その中で、心に残った谷川さんの声を少しお届けする。

谷川俊太郎朗読会

口に出して読んで聞いてもらう事を意識して書いたと言われる「みみをすます」。口に出さなくても日本語の音韻的な性質を意識して、意味的におかしくなくても音的に直す事がある。だから比較的、声を出して読んで伝わりやすい詩を書いているのではないかと思うと言われていた。
日本語という深い土壌に根が張っている植物から、ことばを吸い上げて選んで葉や花にしていく、「下からじわじわとやってくる」そのようなイメージで詩を作っているそうだ。5〜6行書き付けたら(インスピレーション)、後はたいてい推敲し1ヶ月以上かけて仕上げるそうだ。そして印刷されて読者が読んでくれたら終わりと思っている。公になったら自分のものではないとも。

谷川俊太郎朗読会

「ことばについてどのように思われているのか?」と質問に、「ことばは困ったものだ。ことばを100%信用してはいなく、疑いながら書いている。」と言われているのが印象的であった。
また絵本などを手がけている谷川さんは、木の年輪の真ん中が0歳児で外側が現在である。人間の心の中は、木の年輪のような年のとり方をしているから自分の中に子どもがいる。しかしその子どもを抑圧しないと社会に対応できない。自分の中の子どもを信頼してもいい。と言われていた顔からは、子どもの谷川さんが見えた感じさえした。
笑いあり、笑顔あり和やかなひと時であった。きっと来場された300人以上の人たちは、何かを感じた素敵な時間だったのではないだろうか。その後、サイン会もあり喜びいっぱいの皆様であった。

谷川俊太郎朗読会

谷川俊太郎朗読会

谷川さんの部屋で話を聞く事が出来た。

谷川俊太郎朗読会

谷川俊太郎朗読会

愛媛には5〜6回来られているが、路面電車がいいと思った。それは生きている・・・生活に使われているという感じがした。また地方都市の良さがあるが、松山には正岡子規や夏目漱石など、昔の松山があるところが好き。と来松の感想を述べられていた。
今回の部屋は、来てくれた人がそれぞれ感じて頂きたいし、感じた事をノートに書いてほしい。とメッセージを頂いている。

谷川俊太郎朗読会

    したのうでとける
    なつかしゆめ
    いつかこいまも
あまいおもいでに
     ときのやさ

谷川俊太郎朗読会

【谷川俊太郎】
1931年12月15日東京生まれ
詩作のほか、絵本・エッセイ・翻訳・作詞などを幅広く作品を発表。
1952年第一詩集「二十億光年の孤独」を刊行。
1962年「月火水木金土日の歌」で第四回日本レコード大賞作詞賞、1975年「マザー・グースのうた」で日本翻訳文化省など多く受賞されています。近年、詩を釣るiPhoneアプリ『谷川』や、 郵便で詩を送る『ポエメール』など新たな試みをされている。
谷川俊太郎*com:http://www.tanikawashuntaro.com/
【道後舘】
道後舘HP:http://www.dogokan.co.jp/

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